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この国、ちゃんと国旗はあるんです。
こんな国旗です。
しかし、肝心の定住民はいないのです。
一体どういうことでしょうか?
まず、この島の場所を見てみることから始めましょう。
場所はこちらです。
この地図をズームアウトしてみて下さい。
こんなとこにあったのかーってかんじです。
こんなとこにあるわけなんですが。
この島、もともとはモーリシャスの一部だったんです。
まず、モーリシャスってどこだよ、ってなりますね。
下の地図を見てください。
右上の赤いマークがディエゴ・ガルシア島。
左下の方はモーリシャスです。
さて、モーリシャスの一部だったという話の続きです。
かつて、モーリシャスはイギリスの植民地でした。
そして、ディエゴ・ガルシア島も同じく植民地でした。
しかし、1965年にイギリスは、このディエゴ・ガルシア島を「イギリス領インド洋領土」という何とも堅苦しい名前にしたのです。この時点で、この島とモーリシャスは別物です。
では、なぜモーリシャスから分ける必要があったのでしょう?
キーワードはアメリカと中東です。
まず、「イギリス領インド洋領土」という名前にした理由ですが、率直に言ってしまうと、この島をアメリカに貸し出すためです。
貸し出してどうするのでしょうか?
アメリカはなぜ、この島が欲しいのでしょうか?
ずばり、中東を監視、制圧するためです。
いきなり重い内容になってきましたね・・・
悲しいかな、アメリカが中東の国々と戦争をしているのは有名な話ですね。
テレビのニュースでもよく目にしますし。
まさにアメリカが中東に対して起こしている戦争の拠点といっても過言ではありません。
アフガニスタンやイラクに対して爆撃しましたね、アメリカは。
あれを行った戦闘機はここから出撃しているんです。
地図を見てみると島の北西に空港があることがわかります。
ここが、戦闘機が飛び立つ場所です。
うーん・・・この島は、こんな利用のされ方がされてしまっているんです。
さらに、忘れてはならないポイントがありまして。
このディエゴ・ガルシア島、もともとはモーリシャスの一部だったって話をしましたよね?では、その頃から、この島は軍事的な利用をされていたのでしょうか?
その答えは、見出しにある通りです。
この島には、元々島民が1400人ほどいました。
その人々は一人残らずイギリス政府によって、モーリシャスに移住させられてしまったのです。しかも、その理由が、「安全性の問題から」。
あなたたちが余計なことをしなければ、安全に暮らせたはずですが、と言いたくなりますね。
島民の方々は尚更のことでしょう。
・・・現在は、ディエゴ・ガルシア島には民間人はいません。軍の関係者などが900人駐在しているだけです。
ディエゴ・ガルシア島は、中東で起きている戦争を考える意味でも重要な場所であり、民間人が政府の職権乱用によって被害を受けている事例としても、意味の大きい場所です。
中東でアメリカが起こしている戦争は、主に石油を手に入れることがメインですが、これによって一番苦しんでいるのは、その地域に住む人であったり、戦争にかり出される人やその家族であったりするわけです。
理不尽は存在するんですかね。まあ、事実を受け入れた上で、次のステップに進んできましょう。
これからも、好奇心旺盛に、真実を探し続けたいものです。
◎『世界地図の面白い読み方』扶桑社文庫