著者:Shunya Ohira(Google+)
九寨溝(きゅうさいこう)は、中国、四川省北部にある、カルスト台地が浸食されてできた渓谷で、優れた自然美と特異な地形が評価され世界遺産に登録されている。カルスト台地とは、石灰岩を豊富に含む地層を雨水が浸食することでできる地形のこと。
九寨溝という名前の由来は、もともとこの地にチベット族の村(寨)が9つあったことによる。
この地の発見は、1970年代に遡る。当時ここで森林伐採を行っていた業者が森の中で、偶然、この美しい景観を発見。それ以来、九寨溝の評判は瞬く間に広がり、中国屈指の観光地として、人々の注目を集めている。
九寨溝を最も強く特徴づけるのが湖や滝で、総数はなんと100以上にもなる。
岷山山脈(びんざんさんみゃく)から流れ出た水は透明度が非常に高く、湖の底が肉眼で確認できるほど。これに含まれる石灰岩の成分が湖の底に沈殿し、その結果、光の反射により日中には青、夕方にはオレンジといったような鮮やかな色に輝く。
その中でも、最も美しいとされているのが五花海という湖で、「九寨溝の一絶」と呼ばれている。
ここ九寨溝は、ジャイアントパンダやキンシコウ、レッサーパンダなどの希少生物が暮らす聖域としても知られている。
近年では、観光客の増加による環境への付加が懸念されており、早急な対応が求められるとともに、私たち観光客の意識改革も進めて行きたい。
参考:世界遺産検定公式ガイド300、Wikipedia