知的好奇を満たす旅の始めは、こんな一節から始まります。
“アマゾンの生態系は、はるか離れたサハラ砂漠に負うところが大きかったのだ。”
どうでしょう?面白くありませんか?サハラ砂漠が、アマゾンの生態系を支えているということです。興味深いですね!
この文章は岩波新書『キリマンジャロの雪が消えていく』からの引用です。サハラ砂漠があるのはアフリカ。アマゾンがあるのは南米。この両者の間にしっかりとした繋がりがあると考えるだけで・・・もう気になって眠れませんね。
まずは、基本的なアマゾンの仕組みを見てみましょう。
アマゾンの熱帯林では、栄養が循環するような仕組みが出来ています。枯れ葉は地面へと落ち、土や動物がそれを分解し・・・という具合です。素晴らしい世界が広がっています。そんな熱帯林の中を流れるのが、かの有名なアマゾン川。このアマゾン川はブラジルや、その他周辺国を流れて、最終的に大西洋へと到達します。この巨大な川があることで、熱帯林の中で循環するはずの栄養が少しだけ流れだすのです。
95%の栄養は、熱帯林内で循環していると言われています。少しだけ外へ外へと放出されているということですね。これが継続していくと、栄養が足りなくなってしまいます。さあ、どうしましょう?
そ こで活躍するのがサハラ砂漠の砂です。決して本人(砂)にその気があるわけではないのでしょうが・・・素晴らしい活躍を見せてくれます。サハラ砂漠から風 に乗って、アマゾンへ届けられる砂の量は、毎年1ヘクタールあたり1120グラムほどにもなります。そこには、アマゾンが失う栄養が含まれているとのことです。(オランダ王立研究所)
BBCのこんな記事を発見しました。題名は「命を授ける砂」です。
サハラ砂漠のイメージといえば、もっと乾いていて、不毛の地で・・・正反対の情景を連想させますが・・・。
なんと、その記事内で言われているのは・・・サハラ砂漠の砂内に含まれるミネラルの存在!サハラの砂には、ミネラルが蓄積されているというのです。かつて、その地域はより肥沃なものでした。その時代には動植物が暮らし、農業まで行なわれていました。時は流れ現在になっても、当時からのミネラルが未だに砂の中に残存しているのです。
面白いですねー。地球の神秘!